D.6. グラフィカルインストーラ

インストーラのグラフィカル版は、Intel x86 など、一部のアーキテクチャでしか利用できません。グラフィカルインストーラは、基本的に通常のインストーラと機能は同じです。同じプログラムを異なるフロントエンドで使用しています。

機能は同じですが、グラフィカルインストーラには重要な利点がいくつもあります。主な利点は、通常の newt フロントエンドが表示できない文字セットを使用する、たくさんの言語をサポートしていることです。また、マウスを使用したり、複数の質問を 1 画面に表示できたりといった、ユーザビリティ上の利点もあります。

グラフィカルインストーラは、CD イメージすべてと hd-media でのインストールで利用できます。グラフィカルインストーラを起動するには、ブートメニューから関連する項目を、単に選択してください。グラフィカルインストーラのエキスパートモードやレスキューモードで起動するには、Advanced options から選択できます。以前使用していた、installgui, expertgui, rescuegui といったブート法は、ブートメニューで Help オプションを選択した後に表示するブートプロンプトから、まだ使用できます。

また、netboot を行えるグラフィカルインストーラもあり、さらに (主にテストに用いる) 特殊な ミニ ISO イメージ[34]もあります。

Just as with the regular installer it is possible to add boot parameters when starting the graphical installer.

注記

グラフィカルインストーラは、通常のインストーラよりもかなり多くのメモリ (96MB) を必要とします。充分なメモリを確保できない場合は、通常の newt フロントエンドに自動的にフォールバックします。

システムのメモリが 44MB 未満の場合、通常のインストーラは起動するのに、グラフィカルインストーラはまったく起動しないかも知れません。利用できるメモリが少ない場合は、通常のインストーラを利用するのをお勧めします。

D.6.1. グラフィカルインストーラの使用法

前述のように、グラフィカルインストーラは基本的に通常のインストーラと同じように動作します。ですから本マニュアルの他の部分は、インストール手順を説明するのに役に立ちます。

マウスよりもキーボードを使う方が好みなら、あらかじめ 2 つのことを知っておく必要があります。畳まれたリストを開閉する (例えば大陸の中にある国を選択するなど) 場合、+ キーと - キーを使用できます。複数の項目を選択するような質問 (例: タスク選択) では、選択が終わったら、まずタブで Continue ボタンに移動する必要があります。選択中に Enter キーを押しても選択が切り替わるだけで、Continue が有効にはなりません。

ダイアログが追加ヘルプ情報を提供する場合、ヘルプ ボタンを表示します。ボタンを押すか、 F1 キーを押すとヘルプ情報にアクセスできます。

別のコンソールに切り替えるには、X Window System と同様に Ctrl キーも使う必要があります。例えば、VT2 (第 1 デバッグシェル) に切り替えるには、Ctrl+Left Alt+F2 としてください。グラフィカルインストーラ自体は、VT5 で動作しています。そのため元に戻るには、Left Alt+F5 としてください。



[34] ミニ ISO イメージは、「Debian ミラーサイトからのファイルのダウンロード」 で説明する Debian ミラーサイトからダウンロードできます。netboot/gtk/mini.iso を探してください。